人間は、地球によって生かされていることを忘れてはならない。
地球環境問題の本質は“人間自身”にあります。私たちは豊かで便利な生活と引き換えに、多くの資源を消費しています。しかし、資源は無限ではありません。地球上の全てのものには、限界があります。そして、私たちは地球環境を破壊することはできても、創造することはできないのです。だからこそ、資源の許容範囲内で、我々はどのように生きていくべきかが問われています。
地球と人間の関係
人類の生き方は、約二万年前にそれまでの狩猟採集が地球システムの別の構成要素である“生物圏”という構成要素の中に閉じて生きるということであるのに対して、農耕牧畜は地球システムの中に新たに“人間圏”を作って生きるということでありました。現在、地球と人間は物質・エネルギーの流れを介して直接つながった関係になっています。我々がどう生きるかという決断が地球システムに影響し、それが巡り巡って私たちに影響する…。だからこそ、私たちはより地球システムについて知ることが求められています。
“地球に守られている”という意識の転換
“地球を守る”という意識ではだめ、そもそも人間がいなければ地球に問題は起こらない
環境悪化の原因
■世界人口の急増
■経済活動の拡大
科学と技術をベースにした経済活動は膨大なツケを地球環境に残した
人間と自然との融合
地球悪化の原因は、地球ではなく人間です。
「地球を守る」というキャッチフレーズには違和感を覚えます。
そもそも地球に人間がいなければ、地球やあらゆる生物は環境破壊から守られる必要はありません。私たちは神ではなく、地球に守られ、あらゆる生物や植物に守られています。地球があっての、あらゆる生物があっての人類であるということを忘れずに、感謝の気持ちを持つべきです。
今、人類に求められている様々なカタチとは
環境共生
その土地の気候、風土、地理、地勢、生態学的な環境要素を把握し、それらと上手く付き合っていく。それが巡り巡って、資源・エネルギーを浪費しない健康で快適な住環境づくりに役立つことになります。
地区から地域に広げた広範囲な視野で気候、風土、地理、地勢や緑・生き物の特徴や構造等を読み取り、それらを住まい、街づくりに生かす。土地と建物を別々に考えるのではなく、環境美生という観点からそれらを総合的に計画することが重要です。
気候・風土に適応した建築的工夫
フランク・ロイド・ライトが自分の作品を「有機的建築」と定義づけ、自然と調和した形と精神を建築で示しました。日本人は古来より自然を崇拝し、感謝を込めて「自然から学ぶ」生き方をしてきました。元々日本人には、有機的建築を理解できる土壌があるのです。
豊かさのモノサシを変える
高度経済成長とバブルを経験した日本では、“豊かさ”とは過剰な開発や発展を伴うものでした。しかし、環境問題や格差社会など様々な課題を抱える、現代の日本においては、持続可能な発展という考え方に、モノサシを変える必要があります。古来から日本の暮らしを手本とし、環境と共生していくことで、今の時代に必要な“本当の豊かさ”を手に入れることができるのです。
木の国、日本。木造建築は必然
木の可能性
パッシブ+スマート
自然の力を上手く利用しゼロエネルギー。日本人は古来より自然とともに生きてきた。
「課題先進国」から「課題解決先進国」へ
日本には課題を解決する潜在能力がある
高度経済成長期において、わが国は水俣病やイタイイタイ病など様々な公害に直面しました。しかし、技術力や知識を総動員することでそれらを克服しました。様々な課題が山積している現在においても、高い技術力や知識を用いることで、日本は世界のフロントランナーとして環境問題を解決していけるはずです。
それは、世界に対しての日本の責任でもあります
温故知新の家づくり
日本の家づくり、日本人の暮らしは
元々環境共生だった!
今こそ、原点回帰して、地球と生きよう