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街路樹の植え替え

プラタナスがつくる街路樹の風景は、さまざまな歌の中に織り込まれてきました。プラタナスの大きな葉は、街路樹にすると、とても風景になる樹木です。日本名でも、鈴懸の径といえば、その言葉だけで、とてもお洒落な街並みを想像します。
夏は木陰ができて温度の上昇を抑え、秋になると黄葉して街も色づきます。冬は冬で落葉して道が明るくなります。そしてこのプラタナスは成長が早く、街路樹として使うと短い期間で立派な景観ができます。

同じようにケヤキもよく使われている街路樹のひとつです。日本の各都市にはケヤキ通りと呼ばれる通りがあり、ケヤキは立派な街路樹に育っています。その他、サクラ通りというのもよく聞かれます。この街路樹ですが、植え替えも進んでいるという状況もあります。プラタナスは減って、ハナミズキに変わっています。じつは生長が早い木から、遅い木に変わっているのです。生長が早いと、年に2回の剪定も必要となります。結局、街路樹も大きくなりすぎると、それだけ管理の予算も必要となります。
こうした街路樹は、毎年若葉を芽吹き、落ち葉になって新陳代謝を繰り返していますが、街路樹そのものの新陳代謝は遅いほうが良いという、人間の都合が働いています。
サスティナブル(持続可能)であるためには、どこかで変化してゆくという代謝が必要ですが、このわずかな数十年の間でも、学習をしながらでなければ、その真の答えは見つからないということなのでしょうか。

  

引用:『おうちのはなし134』 一般社団法人 住まい文化研究会発行

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