【photo】naoetsu-powerplant by DaisukeYamagishi
インフラとは、国民福祉と経済発展に必要な公共施設のことを指します。
特にライフラインとなるインフラについては、災害時に安定した供給が要求されます。
公共公益…エネルギー(発電所)、ガス(ガス施設)、水(上下水道)などのライフライン
物流機関…湾岸、道路、港などの交通インフラ
通信…電話、ラジオ、インターネットなどのITインフラ
機関の機能が停止してしまうと、生活も仕事も経済もままならなくなります。
そのために、普段から税収にて財源を確保し、様々なインフラを整備・管理しなくてはなりません。
高度成長期以降の建設ラッシュで、日本のインフラは多く整備されました。
ですが一気に建設された公共施設は老朽し、じきに一斉に更新時期がやってきます。
高度成長期の建設物の耐久年数40年~60年と短く、その補修に掛ける予算は莫大です。
【photo】R0021840 by OKAMOTOAtusi
災害事故
関東大震災、東日本大震災にて、日本の多くのインフラは崩壊しました。
今日の日本の建設物は補修整備が滞っています。補修予算を新規事業に注いでしまい、整備まで回ってこないのです。また、交通インフラなどは、工事をするとなると交通機能を停止しなければならない問題もあり、停滞の原因の一つになっています。
【photo】Sasago tunnel ceiling panel is removed, the ventilation system were built.JPG by Sakaori
笹子トンネル天井板落下事故
2012年12月2日に、山梨県大月市にある笹子トンネルの天井板およそ270枚が落下し、下敷きになった3台の内2台から発火、9名が死亡、2名が負傷しました。天井板をつなぐつり金具が壊れていた恐れがあり、昭和52年以降交換や補修工事がされなかったための老朽化が主な原因と見て調査が続けられています。
災害も事故も、現場整備をしていれば未然に防げたかもしれません。
2013年、安倍政権となったいま、「国土強靭化」が掲げられています。
インフラ形態と老朽化、今後数十年後の日本の未来を通して一度考えてみましょう。
【photo】IMG_0296.JPG by ParisAngel
インフラを考えるに以下のことがあげられます。
老朽化
たとえばロンドンの水道の漏水率が60%を越えるに対し、日本の水道は漏水率3%となっています。しかし、地方過疎化、少子高齢化といった近代の問題が含まれてくると、日本のインフラの未来は暗いものになってきます。地方過疎化になってしまうとますますインフラ整備が滞り、事故や老朽が進みます。少子高齢化が進めば、整備費用の財源となる税収が減り、更に維持管理がずさんになります。
維持管理されないインフラの寿命は約50年前後なので、高度成長期に立てた建設物は2030年には全体の50%が老朽化し危険な状態になります。このまま一斉更新時期を迎えてしまえば、予算は維持管理費に回され新設が出来ない状態になりかねません。
不要
せっかく建設したインフラにも利用者がいないと赤字になります。道路などは、交通の便で結果的に経済が潤うのであれば、それは存在価値が正当化され、必要インフラとされます。過疎地域に道路を設け、経済活性化しようとしても利用者がいなければ、本来正当なインフラだったはずなのに、不当化され、不要インフラとなります。
こうした正当・不当は景気の上下加減にも左右されるので、はっきり不当と切り捨てることができないのが現状です。
【photo】森林鉄道by "KIUKO"
固定支出
インフラをしっかり管理しようとすると、維持費は固定支出となります。そうすると財源確保が難しくなり、結果、インフラを『放棄』せざるを得ない状況にもなります。整備しなければ安全性に欠け、整備をすると新設が出来ず、税金が使われる…難しい問題です。
財源
交通インフラの補修は国土交通省が担い、財源は高速道路会社の借金から出されています。これから補修するインフラが増えてくるとなると、債務完済は難しく、今後の債務完済時期を2050年の予定を10~20年ほど大幅に延長することも検討に入れられています。時期延長をすることで、約3兆~5兆円の財源捻出が見込めますが、その場しのぎでしかありません。
【photo】Keep rivers and embankments clean by urawa
防災
日本は多くの災害にあっています。地盤沈下、山体崩落、火山、地震、津波、大雪、台風など。こうした災害に対抗できる地形を選び、強度を持ったインフラを作り、また修繕していかなければいけません。想定外だから防げなかったということのないようにします。
環境
環境に良い自然エネルギーが注目され、太陽光発電や風力発電が普及しています。発電所がこれからもっと増えていくこと、それまでの発電所が不要とされることを考えると、財源確保もまた優先順位など変わってきます。
【photo】Hapuawhenua Viaduct by Abaconda
他国のインフラ整備はどうでしょうか。
ニュージーランド…インフラ政策をすでに見直し、国と地方と都市部の充実を図っています。適切な社会資本への投資をし、GDPの押し上げをも狙っています。
カナダ・アメリカ…環境保全のため温室効果ガス規制・代替エネルギー技術の開発を促進するため、地域の自発的取り組みを策定しています。
日本…老朽の著しい莫大な維持管理費が掛かるインフラに弱い日本は、一方、情報インフラの最高速ブロードバンドの普及が進んでいます。2008年には約3000万のブロード回線のうち半数が光ファイバー回線となり韓国につぎ2位の普及率になっています。
インフラに関する研究開発、制作を続けることで、維持管理費削減や制作コストカットができます。自然エネルギーが普及し供給が安易になれば、それだけ維持費も掛かりません。
ただし、何事も適切な管理が要求されます。各種点検や補修を怠れば、万一の事故の時に代償として帰ってきます。
多くのインフラが、持続可能なものに代替が可能です。福祉施設などはその例で、老朽が懸念されるコンクリートなどで創り固めるより、木で作ったほうが耐震や耐火に優れていることがあります。
CLEの考えていること
CLEは日本のインフラ整備と適切な維持管理を待ち望んでいます。
バランスの良い街・国づくりのために公共インフラや交通インフラの分布を真剣に考え、どうすれば日本がより住みやすい国土になるかを思索しています。
その手始めに、CLEは家を建てさせていただく際に、地盤をよく調べて検討します。
せっかく建てた家が地震などの災害時に地盤沈下してしまってはいけないからです。
インフラ整備は国づくりの要とも言えるお仕事。CLEも他人事と割り切らず、積極的国づくりに参加できるように行動していきます。